●別冊旅日記 2003 〜はじめてのアメリカ一人旅〜 |
[New York/Elliott Smith]
エリオット・スミスのライブ場所はブルックリン倉庫街のライブハウス。 知人の知人Tadaさんと一緒に行った。 チケットはなかったけれど、ライブを観ることができた。 なぜなら私は女神付きだったから。 エリオットは弾き語りだった。日本公演よりリラックスして演奏してる感じだった。 私はどうしてこんなにエリオットが好きなんだろう?って時々思う。 あの声とメロディ、アコースティックギター。 言葉では絶対に表せない「何か」 それが私の、自分でも届かないようなトコロにすっと入ってきて しっかり落ち着いてしまってる感じ。 今やソレは私に根付き、華を咲かせる勢い。 思えばずっとこんな風に音楽を聴いてたんだった。 大人になって若い頃の様にのめり込んで音楽が聴けなくなってしまったって言う人がいるけれど、私には何を言ってるんだかわかんない。 至福の夜。 Tadaさんが言ってた、人種で集まって街が出来上がってるから、それぞれ特徴があって面白いという話。 例えば、道ばたに植物を植えて綺麗にしてる所もあれば、そうゆうのめんどくさいって道も整備されてない所もある。 人種で固まって街があるのなら、NYは小さな世界みたいなもんだね。 国境はなくならないんだろうか? でも一瞬でも、例えば音楽とか何かのきっかけでフッと境がなくなる時があれば、それでいいと思う。 NY早朝。空港へ行くバスのバス停までカートを引きずって歩いてた時、 黒人のおじさんが私にニッコリ笑いかけて「良い旅を!」と言った。 私なんてここに住むあなた達と何の関係もない、ただの通りすがりなのに。 その言葉を聞いた時、涙が出そうになった。 この人はいつもこうやって声をかけているんだろう。 この何気ない一言に私はとっても勇気づけられた。 こんな風に人と人は関わっているんだって思った。 「ありがとう あなたもね」 まだまだ旅は始まったばかり。
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